AGAにより生え変わりがスムーズに行われなくなる仕組み

男性の薄毛は、額がアルファベットのMのような形になったり、頭頂部が円を描くように進行します。これらは、AGAの典型的な状態で、頭髪の成長サイクルが狂わされてしまった事による現象です。具体的には、男性ホルモンのテストステロンが、これらの部分の毛根に生息している5α還元酵素により変換された事により作られたDHTという物質が原因です。

DHTは、テストステロンをサポートするために生産されるのですが、毛乳頭のレセプターの感受性が強い場合は結合してしまいます。毛乳頭は毛母細胞の分裂に関わっている部分であり、頭髪の成長に大きな影響を及ぼします。通常は数年継続する成長期が極端に短くなるので、短い抜け毛が増加する事になります。

さらに、毛母細胞が活動を停止する休止期も長期化してしまうので、生え変わりもスムーズに行われなくなります。抜け毛が増えるだけではなく再生も上手くいかなくなるので、薄毛は拡大する様になります。原因物質が生産されている限り状況は改善されないので、進行が止まる事はありません。5年以上継続した場合は、毛包は頭髪を生産する能力自体を喪失します。つまり、無毛化するという事になります。

AGA治療薬のプロペシアは、テストステロンを変換する5α還元酵素を阻害するという作用を持ちます。これにより、原因物質の生産が抑制される事になり、頭髪の成長サイクルが正常な状態に変化します。短い段階で抜けてしまう事がなくなる上に、生え変わりも問題なく行えるようになります。頭髪の環境を整える事により、薄毛が改善されるという仕組みです。

ただし、プロペシアは毛包自体を改善する作用は無いので、無毛化するまで進行した場合は回復させる事は出来ません。つまり、発症してから5年以上が経過した場合は、効果を発揮するのは困難という事になります。薄毛を改善したい場合は、初期の段階で使用する事が必要となります。つまり、短い抜け毛が目立ってきた段階で、行動を起こす事が求められるという事です。

プロペシアは、薄毛治療を行っている医療機関で処方されています。1カ月で1万円程度が大体の相場ですが、クリニックごとに料金は異なっています。これは、頭髪は生命に直接関係している部位ではないので、薄毛治療は自由診療に分類されているからです。健康保険が適用されないので費用は全て実費となりますが、クリニック側が治療内容や料金を自由に設定する事が認められています。

 

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